国や県のお金を使って、事業を強化できる補助金。
とても有難いものですが、諸刃の剣だと感じることもしばしば。
補助金を申請する際に気をつけるべき項目をまとめました。
補助金を申請する際に気をつける7つの事項
【諸刃の剣】補助金を活用する際に気をつける7つの事項
1、自腹も切る
販売促進、新規事業、設備投資、海外進出などなど、様々な目的に使える補助金があります。
ただし、やりたいことの100%の費用を補助してくれる補助金はありません。
一部は事業者さんの負担になります。
例えばメジャーな国の補助金でも下記のようになっています。
小規模持続化補助金 2/3を補助
ものづくり補助金 1/2を補助
IT導入補助金 1/2を補助
失敗すればご自身の懐中が痛むことを肝に銘じましょう。
2、先にお金が必要である
補助金は全てが後払いです。
ものづくり補助金が採択されて、1000万円の設備投資(補助率1/2/)ができるようになったとしましょう。
設備投資に必要な1000万円については、まずご自身で準備頂く必要があります。
自身で調達した1000万円で設備を購入した後、数ヶ月以上経過して500万円が振り込まれます。
補助金が入金されるまでの間、金融機関がつなぎ融資をしてくれることもありますが、信用力が欠ける場合は融資がおりず採択されたのに投資を諦めるケースも散見されます。
ご注意ください。
3、社員数が多い会社は賃上要件に注意
様々な補助金には補助金をもらうための要件があります。
補助金によっては賃上要件があります。
例えば、ものづくり補助金だと補助事業期間中「給与支給総額を年平均1.5%増加させる」とあります。
さらっと読むとインパクトはないかもしれません。
計算してみると、平均年収300万円の社員が50人いるとすると給与支給総額は1億5000万円です。
1億8000万円の1.5%/年とはいくらでしょう?
なんと270万円/年の賃上です。
3年間の事業でも概算で下記のようになり
1年目270万円
2年目540万円
3年目810万円
で累積1620万円の賃上です。
賃上額がもらえる補助額と変わらないということがしばしば起こります。
4、申請した内容と異なることには使えない
補助金を申請するときは、事業計画書を提出します。
補助して欲しい投資は何の目的に使うかを明記します。
その目的のために使うことだけが認められているのです。
環境変化が激しい時代において、柔軟性が失われる恐れがあります。
5、補助金だからとオーバスペックな設備を入れてしまう
人の欲は果てしないものです。
補助金だからとオーバスペックな設備を入れてしまう傾向にあります。
例えば、100個/日しか注文がないのに、1000個/日作れる設備を入れてしまうなどです。
設備は、設定された範囲内の数を作るときに最も効率化されるようになっています。
設備を更新してかえってコスト高になり、埃をかぶっている風景を何度も目にしてきました。
6、事務作業が面倒くさい
補助金の財源は税金です。
・税金が投入されるので、予定通りのものを購入しているのか。
・本当に必要なものなのか。
・その経費は正しいのか。
等の精査が必要です。
高額の物であれば相見積も求められます。
不正をする企業が発覚しており、近年より厳しくなっています。
なん度も、書類の再提出を求められることもしばしば。
人手が足りないとアップアップしてしまいます。
7、悪徳専門家に気をつける
補助金の計画書の作成を支援する悪徳専門家がいます。
仕事の負荷に対して暴利をむさぼったり、詳しい説明なく申請を強要したりします。
申請のサポートをして、手数料を支払ったらフォローアップは知らん振りなどといったケースもあります。
手数料は成功報酬であれば、補助金の規模にもよりますが獲得額の5-10%と考えます。
外部専門家の助けを借りるなら、名前検索をしてみて悪い噂がないかも確認してみてください。
まとめ
・国や県のお金を使って、事業を強化できる補助金はありがたいが、下記7つに気をつける
1、自腹も切る
2、先にお金が必要である
3、社員数が多い会社は賃上要件に注意
4、申請した内容と異なることには使えない
5、補助金だからとオーバスペックな設備を入れてしまう
6、事務作業が面倒くさい
7、悪徳専門家に気をつける
コメント