たったこれだけ!経営者が知っておくべき経営分析の知識

「今月の売上は?利益はどれくらいになるだろう?」
月末になると気になる。

経営する上で、毎月の売上や利益を確認するのはとても大切なこと。
結果をみて施策の成否を確認したり、問題点を見つけ改善したりします。

毎月の成果チェック、さらに効果的に実施する方法があります。
経営分析と言います。
この記事で伝えたいのはこちらです。

経営分析をする意義と知っておくべき指標がわかる

早速、経営分析について解説します。

目次

たったこれだけ!経営者が知っておくべき経営分析

1、経営分析とは

経営分析とは財務諸表から算出される利益率や自己資本比率などの経営指標を比較することです。
その目的は大きく分けて以下の2つです。

1、自社の経営指標を過去や業界平均と比較をすることで客観視する
2、取引先の経営指標を標準と比較することで貸倒損失などを被るリスクを下げる

1、については、客観的に自社を見つめ数値が劣っている指標に注目します。
そこに何かしらの問題があるからです。
指標が劣る原因を突き止め改善することで会社が成長します。
数値は正直。
継続的に定点観測していると悪い前兆にも気づ区ことができます。

2、については、取引をしても良い相手なのかを見極めます。
特に掛取引などの信用取引をしても良いか、するとすればどんな条件にするかを検討しましょう。
よく言われる格言のように現金を回収するまでが商売です。

2、経営指標は比べてなんぼ

先ほど、自社を客観視するために経営指標を比較すると書きました。
比較する対象は何でしょうか?

過去と比較する期間比較
同業者や政府等の指標と比較する相互比較
の2つがあります。

経営分析の種類

経営分析で重要なのは比較して自社の強みや弱み(問題点)を知ることです。
期間比較は自社の数値をグラフ化してみましょう。
数値で見るよりも理解が進みます。
相互比較は中小企業実態基本調査TKC経営指標を活用します。
業界平均がどれくらいなのかが分かります。

問題がある指標については、原因を掘り下げましょう。
原因を特定したら手を打ち、改善効果を経営指標で確認します。
ここまですることに経営分析の本当の意義があります。

3、経営分析でわかること

経営分析でわかることを大きく分けると次の3つです。

経営分析の3つ

収益性分析は、適切なコストでしっかりと利益が出せているか
効率性分析は、ヒト・モノ・カネが効率的に活用できているか
安全性分析は、資金面を中心とした会社の安全性に問題はないか
です。
各々に多くの指標がありますが、今回は経営者が知っておくべき指標を厳選して紹介します。

(1)収益性分析

収益性分析

収益力分析は4つの指標をあげました。

総資本経常利益率(経常利益/総資本)

会社に投入したお金(借入金+自身の貯金等)でどれだけの経常利益を生み出せているかを知る指標。
総資本経常利益率が4%を超えているかが1つの目安になる。

売上総利益率(総利益/売上高)

全ての利益の大元になる指標。一般には粗利率と呼ばれている。
業界平均と比べて低い場合は安価で売りすぎている可能性あり。
業界によっても差があり、製造業や小売業は小さくサービス業は大きい。

売上高営業利益率(営業利益/売上高)

本業からどれだけ利益が出ているかを確認する指標。
売上総利益から販売費・一般管理費を差し引いたもの。
人件費が上がると営業利益率が下がる。

売上高経常利益率(経常利益/売上高)

総合的な「稼ぐ力」を示す。
本業からどれだけ利益がでているかを示す営業利益に営業外の損益を加えたもの。
補助金や助成金が営業外収益に入る。

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(2)効率性分析

効率性分析
総資本回転率(売上高/総資本)

投入した資本(お金)で、どれだけ効率的に売上をあげられているかをみる指標。
指標が高いほど投入した資本を有効に活用できている。

棚卸資産回転率(売上高/棚卸資産)

棚卸資産(在庫)を持ちすぎていないかを確認する指標。
死に筋商品が多かったり、仕入れ量が多かったりすると非効率になる。

固定資産回転率(売上高/固定資産)

購入した固定資産(土地、建物、設備、車、重機)が売上に貢献しているかをみる指標。
無駄な固定資産は売却などの処分を検討する。

1人あたりの売上高(売上高/固定資産)

1人当たりの売上高を他社や過去と比較をすることで、特徴や問題点を発見できる。
問題があるようであれば、配置転換や仕事の効率化について考える

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(3)安全性分析

安全性分析
自己資本比率(純資産/総資本)

会社の中長期の安全性を評価する代表的な指標。数値が大きいほど安定している。
健全性を考えると20%以上の自己資本比率が望ましい。

流動比率(流動負債/流動資産)

短期的な倒産リスクをみる指標。
流動資産は1年以内に現金化できる売掛掛金や手形、棚卸し資産が当てはまる。
流動負債は1年以内に返済しなければならない買掛け金や手形が当てはまる。
120%以上で合格、100%なら気をつける、100%未満は危険(自転車操業)

借入金月商倍率(短長期借入金/月商)

借入金の返済能力をチェックできる。
借入金の合計が売上の1倍以下なら安全、3倍以下なら不安なし、5倍超は要注意、10倍超は危険

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まとめ

・経営分析の結果を比較をすることで客観的に自社をみる
・経営分析は期間比較と相互比較がある
・収益性、効率性、安全性を比較し劣っているがあれば原因を特定し改善につなげる

○参考書籍
・中小企業診断士 最速合格のためのスピードテキスト(2) 財務・会計 (TAC出版)
・財務諸表分析 ゼロからわかる読み方・活かし方 (PHPビジネス新書)
・図解でわかる経営分析 いちばん最初に読む本(久保豊子氏 アニモ出版)
・知識ゼロからの経営分析(足立武志氏 幻冬舎)
・経営戦略の基本(日本実業出版社)

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この記事を書いた人

沖縄県浦添市/チャレンジ・アクセラレーター・コンサルティング代表/ 半導体材料メーカー→経営コンサル会社→独立/最前線で毎月30社の事業者さんをサポート/認定支援機関/中小企業診断士、事業承継アドバイザー、職場のSDGs推進コンサルタント/沖縄県産業振興公社、中小機構沖縄事務所、商工会議所の登録専門家/創業や事業、副業に役立つ情報を発信/経営戦略、事業計画、資金調達、補助金、お気軽にご相談ください

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