【簡単に経営分析】効率性分析

引き続き経営分析のお話です。

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今回は効率性分析について掘り下げます

目次

【簡単にわかる】効率性分析

効率性で確認いただきたいのは次の3つの項目で、指標は4つあります。

効率性

総資本回転率(売上高/総資本)

総資本回転率(図解)

投入した資本(お金)で、どれだけ効率的に売上をあげられているかをみる指標です。
回転率が大きいほど投入した資本を有効に活用できていることを意味します。
ほとんどの業種において総資本回転率は1.0〜2.0回転の間に収まります。
1.0を下回る場合は、資本をうまく売上に繋げられていません。
売上を伸ばせればベストですが、難しいようなら無駄を削って負債を返済するなどスリム化することも考えます。

棚卸資産回転率(売上高/棚卸資産)

棚卸資産回転率(図解)

棚卸資産(在庫)を持ちすぎていないかを確認する指標です。
回転率が大きいほど商品等がよく売れていることを意味します。
業界によって棚卸資産回転率の平均値にバラツキがあります。
特にこの指標が重要になる小売業・卸売業・製造業では10〜20回転になることが多いです。
棚卸資産回転率を上げるためには、死に筋商品を減らしたり仕入れ量を最適化することが大切です。

固定資産回転率(売上高/固定資産)

固定資産回転率(図解)

購入した固定資産(土地、建物、設備、車、重機)などが売上に貢献しているかをみる指標です。
回転率が大きいほど設備などを有効活用できていることになります。
業種によって固定資産の保有規模に差があるのですが、2.0〜4.0回転くらいになります。
固定資産回転率を上げるためには、設備保全を進めることや稼働率を上げることを考えます。
無駄な資産があれば売却するのも選択肢の1つです。

1人あたりの売上高

1人あたりの売上高(図解)

1人あたりの売上高はシンプルでわかりやすい指標です。
経済産業省のページを見ても、都道府県や業種によって差があることがわかります。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syokozi/result-2/h2c6kgaj.html
目安としては1人あたりの売上高が従業員各々の年収の3倍以上は欲しいところです。
自分の年収の3倍以上を売ることを社員の目標にするのもシンプルで良いですね。
目標があれば人は本能的に目標を越えようと努力するものです。

まとめ

・自社の効率性をみる指標は4つ
・業種によって、より重視する項目が変わるので自社にとって重要な指標を見極める
・小売業や卸売業は棚卸資産回転率が、製造業は固定資産回転率がより重要
・重要な指標については時系列の変化と外部(業界平均や同業者)との比較を怠らない

○参考書籍
・中小企業診断士 最速合格のためのスピードテキスト(2) 財務・会計 (TAC出版)
・財務諸表分析 ゼロからわかる読み方・活かし方 (PHPビジネス新書)
・図解でわかる経営分析 いちばん最初に読む本(久保豊子氏 アニモ出版)
・知識ゼロからの経営分析(足立武志氏 幻冬舎)
・経営戦略の基本(日本実業出版社)

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この記事を書いた人

沖縄県浦添市/チャレンジ・アクセラレーター・コンサルティング代表/ 半導体材料メーカー→経営コンサル会社→独立/最前線で毎月30社の事業者さんをサポート/認定支援機関/中小企業診断士、事業承継アドバイザー、職場のSDGs推進コンサルタント/沖縄県産業振興公社、中小機構沖縄事務所、商工会議所の登録専門家/創業や事業、副業に役立つ情報を発信/経営戦略、事業計画、資金調達、補助金、お気軽にご相談ください

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