物価高や円安で苦しむ事業者様が増えています。
しかし、営業が『値上げをお願いします!!』とまわっても、そう簡単に実現するものではありません。
どうすればよいのでしょうか?
この疑問に答えるために、中小企業庁から「ここから始める価格交渉」という冊子が配布されています。
100%交渉が成功する方法はありませんが、確度を上げるために何をしたら良いのか解説します。
正しい価格交渉の進め方がわかる
【成功確率アップ】ここから始める価格交渉
1、原価の把握
値上のための第1歩は、自社製品の原価の把握です。
おおよその原価を示した価格交渉が、成功確率を上げる秘訣だからです。
そもそも、「原価を把握していません」という事業者さんも多いです。
この際、自社の原価がどういう項目から出来上がっていて、いくらになっているのか明確にしましょう。
製造業or卸売業or小売業or飲食業。
どの業種かによって原価の算出方法が異なります。
製造業であれば、①材旅費、②労務費、③経費から原価が算出されます。
どのようなコンセプトで原価を算出したら良いかも、よく考えましょう。
2、どれくらいの原価の変動があったか
値上げをするためには、その根拠が必要です。
物価上昇や円安、人不足によって、どくらい費用が上昇したかを示すことが大切です。
例えば、仕入品の値上や水道ガス光熱費、人件費などのデータをつかんでおきましょう。
業界団体や官公庁のHPから推移を得られる情報も数多くあります。
スマートな交渉として「コストのメインを占める電気代が20%値上しているので、10%の値上をさせて欲しい等」を伝えられればgoodです。

3、書面を準備して交渉に臨む
交渉をする際には、書類を準備することも重要です。
交渉相手が決定権を持つ責任者だったとしても、その場で値上げを認めてくれるケースは少なく担当者と相談して回答するケースが多いからです。
この場合、値上額や値上げ根拠を記した書類がないと担当者との正確な情報共有が難しくなってしまいます。
口頭だけだと忙しさの中で話がいつの間にか有耶無耶になってしまう恐れもあります。
本気度を示すためにも書類を準備しましょう。
4、値上げまでの猶予期間を持たせる
「3ヶ月後から値上げさせて欲しい」など猶予期間を持たせると成功確率が上がります。
仕入価格の上昇に備えて、顧客に価格転嫁の交渉もできます。
また、人の心理として同じ痛みでも直近よりも先の痛みを軽く見積る傾向があります。
「次回からの値上げは受け入れられなくとも、数ヶ月後であれば仕方ない」となるケースも多いのです。
まとめ
・中小企業庁から「ここから始める価格交渉」という冊子が配布されており参考になる
・価格交渉のスタートは正確な原価把握と原価変動を捉えること
・書面を準備して交渉に臨む
・猶予も持って値上げをすると受け入れられやすい
コメント