先日、ある事業者さんからこんな相談を受けました。
「来年は売上目標管理をもっと厳格にやりたいのですが、どう進めればよいでしょうか?」
とても良い視点だと思います。
中小企業では、売上目標を立てていても、月に1回確認するだけだったり、最初に決めただけで日々の行動につながっていなかったりすることが少なくありません。
せっかく目標を立てるのであれば、現場で毎日意識できる形にまで落とし込むことが大切です。
売上目標管理を厳格にしたいとき、まず何から始めるべきか
まずは売上目標を立てることが大切
当然のことのようですが、売上目標管理を厳格にしたいのであれば、まずは明確な売上目標を立てる必要があります。
目標が曖昧なままでは、進捗を確認することも、遅れに気づくこともできません。
ここで大切なのは、「なんとなく前年より増やす」という決め方ではなく、どれだけ利益を出したいかから逆算して考えることです。
売上目標は損益分岐点分析の考え方で計算できる
売上目標は、損益分岐点分析の式を活用することで、ある程度合理的に設定できます。
たとえば、
売上高 = 固定費 ÷ (1-変動費比率)
という考え方を使えば、赤字にならないために最低限必要な売上高を求めることができます。
さらに、そこに「いくら利益を出したいか」を上乗せすれば、利益目標を踏まえた売上目標を計算できます。
売上高 = 固定費 ÷ (1-変動費比率)+得たい営業利益
つまり、売上目標は感覚ではなく、数字に基づいて設定できるということです。
この考え方を使うと、経営者としても社員としても、目標の根拠がわかりやすくなります。
年間目標ができたら、月別に分ける
年間の売上目標が決まったら、次はそれを月別に分けていきます。
ここで単純に12等分する方法もありますが、実際には繁忙期と閑散期がある業種も多いため、可能であれば過去の売上推移も参考にしながら、月ごとの目標を決めるとより実態に合った管理ができます。
年間目標だけでは、現場にとっては遠い数字になりがちです。
そのため、まずは月単位に落とし込むことが重要です。
月別目標ができたら、営業日数で割る
さらに月別の目標ができたら、次は各月の営業日数で割って、1日あたりの売上目標を出します。
ここまで細かくすると、毎日の現場で「今日はいくら必要なのか」が見えるようになります。
目標管理が機能しない会社では、月末になってから「今月は足りなかった」と振り返ることが多いですが、それでは手遅れになることもあります。
日ごとの目標が見えていれば、途中で遅れに気づき、早めに打ち手を考えることができます。
毎日の売上高・累積・進捗率を見える化する
日別目標まで落とし込めたら、次に大事なのは毎日更新することです。
その日の売上高
累積売上高
目標に対する進捗率
こうした数字を、ホワイトボードなどに書いて毎日更新していくことをおすすめします。
たとえば、事務所や店舗、工場の見やすい場所に掲示しておけば、誰でも今の状況を確認できます。
単に数字を集計するだけではなく、現場で見えるようにすることがポイントです。
全員で状況を共有できるようにしておくことが大切
売上目標管理は、経営者や管理職だけが把握していても十分には機能しません。
やはり、全員で状況を共有できるようにしておくことが大切です。
今どれくらい達成しているのか
今月は順調なのか、少し遅れているのか
あとどれだけ必要なのか
こうしたことが全員に見える状態になると、現場の意識が変わります。
目標が「社長だけの数字」ではなく、「みんなで追いかける数字」になっていきます。
まとめ
売上目標管理を厳格にしたいのであれば、難しい仕組みをいきなり導入する必要はありません。
まずは、
- 利益目標から年間売上目標を決める
- 月別に分ける
- 営業日数で割って日別目標を出す
- 毎日実績・累積・進捗率を見える化する
- 全員で共有する
この流れを丁寧に実行することが重要です。
売上目標管理は、数字の問題であると同時に、組織で目標を共有する仕組みづくりでもあります。
来年こそ売上管理を一段レベルアップさせたいという事業者さんは、まずはシンプルでも毎日続けられる形から始めてみてはいかがでしょうか。

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